森のようちえん ぴっぱら

自然と人とふれあって生きる その人らしさが芽生えていく おとなもこどもも共に育ち合う 鷹栖の森のようちえん

「食べることの記憶」   りかこ記

 ぴっぱら初のクラウドファンディング、残すところあと今日1日
たくさんの方々からの寄付、ご支援に、あらためて感謝しています。

最後の1日『そういえば』という方、下記リンクからよろしくお願いいたします。

  

新たな拠点ぴっぱら小屋プロジェクト ~10年目の挑戦~ – 北のNPO基金


ぴっぱらで大切にしていることのひとつ、食べることについて。
【森のようちえん ぴっぱら代表・松下 理香子】の想いを紹介します。

「食べることの記憶」
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春、雪解けと共にひょこっり顔を覗かせるふきのとう。
あの淡い緑を見つけた時の喜びは何ともいえません。
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ぴっぱらのこども達はそれを見つけると、「ふきのとう味噌食べたいね」なんて憎いことを言います。
その後もつくし、ふき、やちぶき、エゾエンゴサクなど、毎日、お昼ご飯の食卓にのぼります。
それを好きな子もいれば、食べられない子もいます。それでも毎年繰り返すうちに、散歩しながら見つけては「お土産だよ~」と誇らしげに持ってきて、今日はこれ食べようねとか、お母さんにあげるんだと嬉しそうなこども達。
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笹の子が出てきたら、焚火で焼いておやつになったり、採りたてのうども焼いて、刻んで醤油をかけたらそれに群がるこども達。イタドリが出だしたら、砂糖で煮て甘ずっぱいジャムに。
初夏には山のあちこちに桑の実、さくらんぼ、すもも、暑い時はぶどうの葉っぱの茎をかじって「すっぱーい!」けど暑さをしのげます。
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秋になると、山ぶどう、こくわを求めてこども達は山道を歩く歩く。ついでにくるみも拾って冬の間の大事なおやつに。薪ストーブの上で焼いて、トンカチでたたいて、竹串で掻き出して食べます。その真剣な姿の可愛いこと!どんぐりも一杯拾ってお店屋さんごっこの大事なお金になったり、駒やネックレスになったりもします。
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決して山菜だけを食べているわけではありません。自前の畑で野菜も育て、それが日々の食材になったり、枝豆がおやつになり、大豆は味噌に。大根は冬の間の漬物、じゃがいもも次の年の夏頃まで大事に食べます。
ご近所さんや知り合いからとうきびやすいかを頂くと「やった~」と声が上がります。
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こうやって書いてみると、四季折々、自然の恵みを一杯頂いていることに改めて幸せを感じます。
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こども達と「今年は山ぶどうと、こくわが少ないね~」「くるみとどんぐりは一杯だ~」とか、そんな会話をしながら自然のサイクルの中で生かされていることをひしひしと感じます。
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一日中野外で過ごす「森のようちえん」ならではの感受性を日々育んでいるこども達。
チョコレートやジャンキーな食べ物も美味しいし、大好きだろうけれど、大きくなったら、山で食べた木の実や山菜の味を覚えているだろうか?冬の手前の雨が続く寒さや、雪解けの土の匂いがぷーんとしてくるのを覚えているだろうか?
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それはどうであれ、今こども達と四季折々の食べることの楽しみや、その都度見つけて行く遊び、自然の美しさや過酷さを存分に味わいながら、豊かな日々を小さい人達と営んでいます。
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ぴっぱらの「食べる」ことや、それにまつわる「遊び」の記憶が、かすかでも彼らの中に残って行きますように。

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