森のようちえん ぴっぱら

自然と人とふれあって生きる その人らしさが芽生えていく おとなもこどもも共に育ち合う 鷹栖の森のようちえん

こどもは『つりたい』というところに立っている

林の中、Y、H、Hがパレットヒルズに行くと言っています。

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3人の手には枝に紐がついた『釣り竿』が握られていました。

 

パレットヒルズの池に到着。

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足元の浅瀬に落とされた紐に魚が食いつくことはありません。

餌がついていないのだからもちろんのこと、それでも何度も何度も紐を垂らして嬉しそうにしています。

僕は『つれるか?つれないか?』すぐに結果を考えてしまいますが、こどもたちは『つりたい』というところに立っていました。

 

しばらく遊んでいると、バケツでエビが捕まりました。

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そこで、落葉の中からミミズを捕まえて紐の先に結び付けてみることにしました。

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ミミズも必死に逃げようとするので真ん中のあたりをギュッと縛るのはとても苦労しました。

そしてその様子は少々残酷にうつったようで、こどもたちからは「かわごんは生き物の鬼だ!!」と批判も受けてしましました。

しかし、釣りとはこういうものだと言い切り、Yとエビ釣りに挑戦してみました。

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小川は流れがあるのでミミズはなかなか下に沈まず、エビもミミズに興味がなさそうでした。

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「エビはミミズ食べないのかもね~」と半ばあきらめ、ほかのこどもたちは違う場所へ遊びに行ってしまいました。

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それでも、Yはとても真剣に、じっと紐の先のミミズを見つめていました。

紐を垂らす場所をかえ、小川の流れが緩やかなところではミミズが下まで落ちていきました。

すると、さっきまで無反応だったエビがミミズに気づき近寄ってくるのが見えました。

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エビははじめ、ツンツンと確かめるように食いつき、安心するとギュッとミミズにしがみついてきました。

『息をのむ』まさにその表現がふさわしいくらい慎重に、エビの様子を2人で伺っていました。

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鼻水が滴っても微動だにしないY。

動いたらエビが逃げてしまいます。

「ねえもういい?」

「よし、あげてみよう!!」

タイミングを見計らって上に引き上げました。

3匹くらいのエビがミミズにしがみついていました。

「よし!!釣れた」と思いましたが、水面を出るところでエビはミミズを手放してしまいました。

 

 

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それでも僕らは大満足でした。

エビがミミズを食べるということを発見し、水面まででも釣りあげたのです。

なんて楽しい時間だったのだろう。

今、思い出しても心が躍る時間でした。